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山陽小野田市市議会議員 高松ひでき

迷走する請願審査

2013年12月28日 10:43 高松ひでき 記す

民生福祉常任委員会において「新火葬場は、市単独で市内に建設を求める請願書」が可否同数になり下瀬委員長の裁決権行使によって採択となりました。

 

採択に賛成をした委員は矢田副委員長、小野委員、三浦委員の3名。反対をした委員は石田委員、岩本委員、吉永委員の3名。

 

請願に反対であろうと賛成であろうとそれは議員個人の意思表示ですので口を挟む気はありませんが、そこに至る過程に現議会の限界を感じます。特に最終的に請願採択に反対した議員の発言は首を傾げるものばかりです。

彼らに共通しているのは、議会という議論の場においていきなり本質的な議論を行わず継続審査を主張しているところです。

議論なしの継続審査の主張は請願者に対して非礼であり、議会に対しての不信感を増幅させることになります。

 

彼らは次のように継続審査を主張しています。

1.「検討委員会が12月26日に提出されるということでしたので、それを見てからでもいいんじゃないかなと思いますし、もっともっといろんな多くの幅広い意見も聞いていきたいと思いますのでぜひ継続になれば私はそのほうがいいんじゃないかと思います。」(岩本委員)

→請願の審査は議会の権限です。議会は対極に位置する執行機関を監視する立場から自主性、自立性が求められています。市長部局に属する検討委員会の答申を参考にするため継続審査を主張するなど議会と執行機関の関係が理解できていないものです。

この理由が前例として認められると市長の諮問機関である審議会で審議中の案件に関しての請願はすべて答申を待ってから議会として結果を出すという事になってしまいます。

 

2.「請願にどうという判断まで今の時点では至っていないんです。なぜならば、やはり様々な市の行政、財政の問題がいろいろ環境的に非常に厳しい状況に変化しつつある中で、市民の意見は最優先としながらも、本当にそれでいいのか、最終的に市民に負担が掛かったりする場合もあるんではないかとか、そういうもう少し行政側の本音をもうちょっと聞いたうえでその辺を勉強して結論出してもいいんじゃないかと。今、採択には至らないような気がしますが。」(石田委員)

「もっともっと研究する余地があると思います。」(岩本議員)

→請願に対しての安易な判断は好ましくないので慎重な審査(勉強?研究?)を行うべきだということは十分理解できますが、委員会こそ審査の場であり今こそそれを行うべきです。

つまり、ここで発言すべき事は審査のための説明員として執行部に対して出席要求を行うことであり、これは委員会として当然の権限の発動です。

言うまでもなく、審査の場に臨む前には一定の勉強や研究は終えている必要があります。更にこの請願審査の最初に担当課(環境課)を説明員として呼んでいるのに何故その時に勉強、研究の際に生じた疑義を解明をしないのか理解に苦しみます。

 

この点について尾山議長と石田議員の興味深いやり取りがあります。

尾山信義議長 「石田さんが言う本音のところというのはどう いうことなんですか。」

石田清廉委員 「行政が執行部のほうから考えている中で、あ れもこれもこの斎場だけの問題に限らずいろんな問題があるわけですね。そんな中で市民の声が絶対多数だからという格好で財政計画及び判断でいいのか。やはり行政としては将来を考えると市民の皆さん痛みをという気持ちがあるのか。その辺もちょっと聞いてみたいと思うんですけどね。我々議会人として単に賛成反対の数字だけで判断していいのかどうかというのが自分自身ではわからないところがあります。その辺が本音を聞きたいということです。」

尾山信義議長 「私はさっきおらんやったけど、執行部と話をしたんじゃない、その部分について。」

石田清廉委員 「そこまで話は出ていないんです。」

尾山信義議長 「出ていない。このアンケートのことについても。」

石田清廉委員 「アンケートの内容については説明がありましたけどね。」

 

請願の審査は慎重に行うことによって継続審査になることがあります。この定例会でも4件の請願を審査していますが3件が継続となっています。

しかし、執行機関提出の議案は33件ありましたが継続審査にはなっていません。

この違いは何なのかよく考察する必要がありそうです。

 

いずれにしても、いきなり納得しかねる理由により継続審査の提案を行うことは議員の責任を果たしているとは言えず、単なる先延ばしにしか見えません。

また、今回の請願は議員の話によると「共産党が出してきたから」だとか「戦術的な請願」というような否定的結論を導く理由が囁かれているようですが、請願の採択基準から逸脱した態度表明は、市民の目から見れば興味のない闘争にしか映りません。

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