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山陽小野田市市議会議員 高松ひでき

議長はどうやって決まるの?その3

2013年10月19日 18:08 高松ひでき 記す

その1で書いた「市民にわかりやすく、開かれた議会を目指すため、裏で多数派工作が行われていた正副議長選挙に立候補制度を導入すべき」との声をどう見たらよいのでしょうか?

 

正確には「正副議長選挙に立候補をした候補者は公開の場で所信表明を行い、その所信表明を聞いて各議員は誰に投票するか態度表明をせよ」という意味だと思います。言われることは一見もっともに聞こえます。

 

■公開の場での所信表明は可能■

現在はその1に記載した通り非公開の全員協議会において指名推薦された議員は所信表明もどきの挨拶を行っていますが、それを公開の場で行うことは可能です。

しかし本会議中の本会議場で行うことは法律上問題がありますのでどうしても本会議場で行いたいのなら本会議を休憩して所信表明を行うことになります。

但し論点は場所の問題ではなく、「公開」と言うことですので全員協議会の傍聴を許可するなり休憩中の本会議場をインターネット中継すれば事は足ります。

この事そのものはそんなに難しいことではありません。

 

■所信表明に意味があるのか■

公開の場での所信表明は十分可能ですが議長候補者の所信表明に何を期待しているのでしょうか?

おそらく個別具体的な案件である「議員定数条例を改正します」とか「議会改革を推進します」とか、そして議会の運営方法について言及する事を期待するということでしょう。

一見すると先進的でありなおかつ分かりやすいようですが、これらのことは議長の権限を完全に逸脱しています。

 

■議長の権限とは■

地方自治法104条および105条には議長の権限として①議場の秩序保持、②議事の整理、③議会の事務の処理、④議会の代表、⑤委員会への出席と発言と明記してあります。

議長の権限はこれがすべてです。

 

例えば上述した「・・・・・・します」という個別的案件は議長の権限ではなく、議会審議を経て合意形成を図るものであり、これこそが合議体である民主的な議会というものです。

独任制である知事や市長との決定的な違いはここにあります。

また、議会の運営方法については議会運営委員会の権限であり議長が口を挟むと越権行為となります。

意外と権限を持たないのが議会の議長なのです。

 

権限のない議長がそれらの方向性を示唆した段階で公平中立性は失われてしまうのです。

議長の基本スタンスは「公平・中立」であるにもかかわらず「議員定数条例を改正します」とか「議会改革を推進します」また「議員報酬を上げます(下げます)」などと明言したなら瞬時に議長の資格を問われることになります。

つまり、議長の所信表明は「公平中立の立場で①議場の秩序保持、②議事の整理、③議会の事務の処理、④議会の代表として務めます」と言うことになります。

所信表明において身なりやしゃべり方など主観的な材料で判断をするなら意味もありますが、議長の権限を考えると所信表明そのものが意味のないものになってしまうのです。

 

■議会における選挙とは■

一般には知られていませんが議会における選挙では議員全員が候補者となります。

つまり立候補しなかった議員に投票しても有効であり、立候補しなかった議員の法定得票数が最多となれば当選人となります。

議会の選挙においては立候補を表明した者以外の者が排除されないことが前提なのです。

 

このように議会の選挙は一般選挙とは大きく違います。

 

 

また、仮に公開の立候補制を導入しようとも議会という権力闘争の場では冒頭の「多数派工作(水面下の調整)」はなくなることないでしょう。

一般選挙を考えても分かるように立候補制度を導入すれば多数派工作がなくなると考えるのは論理の飛躍に過ぎません。

 

最近の山陽小野田市議会では「もっとも議会を代表するにふさわしい人物、統轄能力がある人物」を議長にすべきとの考え方で動いており、その能力がなく単なるポストが欲しい人物や順番とか年功序列、議長職を踏み台にする人物にはNOを突きつける傾向にあります。

 

最後に付け加えますと、副議長の所信表明はまったく意味がありません。

何故なら副議長の役割は「議長に事故があるとき、又は議長が欠けたときは、副議長が議長の職務を行う。」(106条)

副議長は一時的な代理であってそこには副議長の恣意的な考え方を持ち込むことはありえないからです。

 

さて議長の決定は10月24日です。

賢明な選択ができるのでしょうか?

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