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山陽小野田市市議会議員 高松ひでき

事前審査とは

2011年8月27日 20:12 高松ひでき 記す

昨日の全員協議会で「消防広域化協議会」について市長、消防長などが出席のもと説明に入ろうとした矢先に議員から 「議案の事前審査にあたるのでは」と牽制球が飛び紛糾をしました。

 

「議案の事前審査」とは、将来提出されるであろう議案を委員会へ付託される前などに審査をする事であり、 審査とは議案の説明を受けて疑問点などを質問し採決などで意思を形成する一連の過程のことです。(事前審査の場合は、 採決などは含まれず説明と質疑のみ)

 

また、地方自治法から読み取れることは、 本会議に提出され委員会に付託された議案であっても付託委員会以外の委員会や会派や全員協議会はもちろん委員会協議会などの非公式の場で説明させ質問をすることは議案の事前審査と言えます。

「議員必携」によるとこの事前審査型の全員協議会は 「議会と市長が一歩離れて提案と審議そして議決と執行を分かち合う組織原理にももとり、議会の権威を失い、 市長の責任体制も否定されることになりかねないものである。」とあります。

 

非常にわかりにくい様な気がしますので簡単に説明すると、

例えばある家庭では家電製品の購入についてはすべて家族会議で決めるとします。 そして1回家族会議で決定されたことは覆らないというルールがあります。

ある日、父親がテレビを買いたいと思って家族会議を開くことを家族に伝えました。 

しかし、妻と子供は許してくれそうにありません。

そこで父親はどうしてもテレビを買いたいので事前に頭を下げて話しをしてみることにしました。

そうすることで、それぞれの考え方や思いが分かりガス抜きもでき1回勝負の家族会議をスムースに進めることができました。

この方法により父親は見事テレビを勝ち取りました。

でも、大事な家族会議は緊張感もなく形だけのものになってしまい、父親の威厳は少し失墜してしまいました。

 

もちろん今回の件は、この様な想定下にもないばかりか事前審査のつもりもなく、 単に消防組合の議員数決定のプロセスを説明したに過ぎません。

 

話しを元に戻すと、執行部と議会の議案に関する大原則は執行部が議案を本会議に上程し委員会に付託後、 その委員会が粛々と議案審査を行うこととなります。 その後に議案は本会議に戻され詳細な委員長報告を受けて委員会外の委員が質疑をしたのち採決に入ります。以上でもそれ以下でもありません。

 

しかし、判断は非常に微妙な時があります。今回も全員協議会を招集した議長の考えは、混乱するであろう宇部・ 山陽小野田消防組合の議員数についての経緯を執行部(市長)に報告のみをさせ議員の理解を求めることが目的であろうと思われます。 いわゆる日本人的政治手法を用いたと言えます。

 

この事前審査を突き詰めていくと、一般質問にさえ波及していきます。

山陽小野田市議会の通常運営は、議案を委員会に付託後、一般質問が行われ、その後委員会の開催となり議案を委員のみで慎重審査します。

議案はあくまでも委員会に付託されるのであって、一議員に付託されるわけではなく、 一般質問で議案に対しての質問をすることは委員会の権限に踏み込むこととなるのではないかという考え方もあります。

もちろんこの考え方は議員の発言を抑制するという観点や一般質問の重要性から見ると暴論であると考えたいものですが、 仮に議案に対して一般質問において考えられる質問をすべて行ってしまうと委員会審査の質疑と答弁の部分は形骸化してしまう側面もあります。

あえて極論を言えば、議案に対しての一般質問は事前審査になるしかもしれないし、 予算や決算などの勉強会の開催もビミョーな判断になります。 (一般質問は公式正当な権利であるから事前審査にあたらないと言う考えもあるが、 職員との勉強会も会派などが議会事務局を通して行うので公式であり正当性があると言えます)

 

2元代表制を堅持し、議会の存在をきっちり確立していくために、 今後は事前審査の意味合いを慎重に考えながら活動して行くしかありません。

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