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山陽小野田市市議会議員 高松ひでき

報酬審議会を考える

2012年4月 8日 19:46 高松ひでき 記す

特別職報酬等審議会、いわゆる報酬審が2月28日と3月5日の2日間、わずか4時間で議員の報酬や市長、副市長、教育長、 病院事業管理者及び水道事業管理者の給与の額についての答申を出しています。

2年に1回開催されていますので、このわずか4時間の審議会で審議する金額の総額は議員報酬だけで約2億円、 市長や副市長などを加えると約3億円程度になるのではないでしょうか。

今回は、その結果ではなくあり方について考えてみたいと思います。

 

■報酬審とは?■

報酬審とは、議員報酬の額や市長や副市長の給与の額について市長が諮問(意見を聴く)する審議会のことです。

それに対して審議会は答申を出しますが、強制力はありません。

 

市長は独任制ゆえに陥りやすい独善性等を排除するためや公正を期すために、市民を交えた第三者機関たる附属機関(報酬審) に意見を聴くことをします。また、この附属機関を経ることによって行政の民主化を図る事が期待されます。

この様な理由で昭和39年に事務次官通達によって各自治体に審議会設置条例が整備をされました。

本市にも、もちろん「山陽小野田市執行機関の附属機関に関する条例」の中にしっかり「山陽小野田市特別職報酬等審議会」 の設置が謳ってあります。

 

■規則を読み解くと■

「山陽小野田市特別職報酬等審議会規則」の第2条には「市長は、議会の議員の議員報酬の額並びに市長、副市長、教育長、 病院事業管理者及び水道事業管理者の給与の額に関する条例を議会に提出しようとするときは、 あらかじめ議員報酬等の額について審議会の意見を聴くものとする。」とあります。

この条文は、昭和39年の事務次官通達のひな形にもある条文です。

つまり、市長が議員報酬や市長などの給与の額を変更しようとするときにはじめて、報酬審を開催するものであって、 変更の必要無しと考えるのであれば条例を議会に提出をしないのであるから審議会開催の必要もないのです。

 

2年前も今回も市長は報酬等の変更は視野に入れていたのでしょうか?

実は会議録だけを見てみると確認ができないのです。

つまり市長の諮問文もありませんし諮問内容についての記載がありません。 (ちなみに前回21年度の会議録はクリックをしても出てきません。)

 

しかし、本会議等の市長の答弁を聞いていると金額の変更を考えていないことが分かります。

 

■他の自治体はどうなのか■

長野県の報酬審の会議録を見てみると

長野県知事が「本県の特別職について本則上適正な水準をきちんとお定めいただく、 そのための見直しをしていただくということが必要ではないかと、このように考えまして、今回諮問を申し上げ、 ご審議をお願い申し上げるということにいたした次第でございます。」と冒頭に首長の意思、つまり見直しの必要性を明確に示しています。

これが本来のあり方のような気がします。

しかし、他の多くの自治体は報酬審を本市同様、定例的に取り扱っているのが実態なのです。

 

■意見聴取はしなくて良いの?■

規則の第6条には「審議会は、必要があると認めるときは、関係者の出席を求め、説明又は意見を聴くことができる。」とありますが、 議会が審議会に呼ばれて意見聴取をされたことはありません。おそらく特別職だってそうだと思います。

まあ必要がなかったと言われればそれまでですが。

 

いま、議会は関係者や市民の意見を聴取することの重要性を認識しています。

それは、委員会などで少人数で議論する際に事実関係を正確に認識したり、陥りやすい錯誤などを回避するためなどに行われています。

何故なら、議会の決定は重大な意味を持つからです。

正しくない認識や錯誤によって出てきた結果には正当性はありません。

 

報酬審は議員や特別職の職責や役割、存在理由、仕事量などの現実や民主主義のシステムを正確に認識していたのでしょうか。 非常に疑問です。

 

■報酬審の審議事項は?■

報酬審は、例えば報酬などのカット率や議員の各種手当てなどを審議する場ではありません。

議員で言うならば本来の報酬額(37万円、現在は約25%カットだがカット後の金額ではない)について審議をする場なのです。

2日間の会議録を読んでみると、本来審議するはずの「37万円」の妥当性の議論から大きくずれているような気がしてなりません。 そればかりか現状維持としながらも「37万円」の根拠が見あたらないのです。

 

もう一つ気になった点は、第1回目は定数10名に対して出席者が定足数ぎりぎりの6名しかおらず、 第2回目も8名で審議を終えている点です。

定数の意義は何なんでしょうか。定足数がいればよいと言うことではなく、 会議定足数というのは単に会議開催の要件に過ぎないはずですが。

この様な審議会の運営方法には大いに疑問が残ります。

 

「地方公共団体の特別職の職員の報酬等の額の決定について第三者機関の意見を聞くことによりその一層の公正を期する必要があると認められるで,下記要領によりすみやかに措置されたく,命によって通知する。 (昭39.5.28自治給第208号)」これが報酬審の目的なのです。

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