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山陽小野田市市議会議員 高松ひでき

提言書提出!!

2006年5月17日 07:19 高松ひでき 記す

5月15日に山陽小野田市基本構想に係わる提言書を小野田政経塾として提出しました。
基本的な考え方として、

(1)基本構想は市民のほうを向いたものでなければいけないということで、市民へのプレゼンテーションであるということ
(2)政経塾としては子供・若者をターゲットにしてるということ

この2点が基本で、創造共生コミュニティを基盤としWELCOME CITY山陽小野田を目指すというものです。

今、私たちのまち山陽小野田市は、平成17年3月22日の合併から一年が経過したものの、当初から予想されていた財政難の中で、予断を許さない状況にあります。しかしながら、そうした中で、白井市長を中心に、その将来に対する可能性や展望に思いをはせながら、市民も一体となって改革に取り組もうとしています。苦しい一方で、これは市民が市政に参画する絶好の機会であり、今こそ私たち一人ひとりの市民が、これからのまちづくりを、自分たちの問題として主体的に考え、英知を結集すべき時であると思います。

 私たち「小野田政経塾(メンバー12名)」は、平成16年11月に、リーダー育成を主目的として発足して以来、毎月1回の様々な勉強会を行いながら、「まち」に対する関心を高めてきました。
 今回、今後10年にわたる山陽小野田市の基本構想並びに計画を策定されるにあたり、これが単なる行政内部の施策伝達書ではなく、市民に対するプレゼンテーションとなるべきであり、その過程において、多くの市民の共感を得ることで、さらなる市民参画を進めるべき、と考えています。したがって、従来のような事後報告型ではなく、策定初期から多くの意見を取り込みながら、随時確認し、さらに意見を求めて、全市民が10年後に対する期待感をもてるように、私たちなりに、これがどうあるべきかを協議、検討してきました。

 昨今の急激な社会構造の変化は、そこで生活する住民に対して、様々な影響を与えています。少子高齢化や高度情報化の進展、さらには国をあげての構造改革が進む中で、市町村も合併による効率化を迫られ、中央と地方の関係も新たな形態が求められています。その背景には、これまで長い間、中央依存であった財政体質だけでなく、地方自身に「自立」という意識があまりにも欠如していたことが考えられます。
 山陽小野田市は、潜在的なポテンシャルは非常に高いものを持ちながらも、現実では厳しい状況をあえて選択する形で、出発しました。そういう意味でも、これからの10年は、非常に重要な時期です。
 細かな施策等については、行政側に検討を委ねるとしても、その大きな目標等については、ぜひ取り入れていただければと思いますし、この地で生活する市民の生の声としてお聞き入れ願うことを期待しております。


1、自治体を取り巻く社会背景について

 今、私たちを取り巻く社会は、かつての高度成長期の豊かさや便利さの追求を経て、バブル期、そしてその崩壊後の空白の10年など、十分な対応ができないほどの急激な変革にさらされてきました。そして、その中で、本来的に中心であるべき「市民」が置きざりにされ、それは子供たちにも波及する形で、現在、多くの問題を抱えています。
 市町村合併が求められた背景でもある、少子高齢化や高度情報化の進展、国も地方も含めての財政危機、そして中央依存体質がもたらした地域コミュニティの弱体化がありますが、先行きが予想困難な時代ではあっても、「ひと」を中心とした社会であることは普遍的であり、一人ひとりの幸福の追求という基本的なスタンスを保つことで、山陽小野田市独自の目標を掲げるべき、と考えます。

2、提案内容

(1)基本的な考え方 『市民へのプレゼンテーション』『成果主義』
           『子共・若者』

 今回、策定される総合計画は、行政内部の施策一覧でなく、市民の意見を取り込んだ、将来に対する夢や希望を掲げた書であるべきであり、同時に10年後のまちの在り方を提案する「市民へのプレゼンテーション」であると考えます。また、徹底した「成果主義」に基づいて検証されることにより、効率以上に効果を上げることができると考えます。
 当然、全市民に関わるものではありますが、特に、次代を担う「子供、若者」層に対して、今われわれが何をすべきか、どうあるべきかを示すことが大切であり、これこそがまちづくりの基本と考えます。
 私たちの提言は、特にこの部分に特化した形でまとめました。

(2)まちづくりの理念 『笑顔美心』~ 笑顔・美しい心にあふれるまち

 現在は、住む人間が地域を選ぶ時代です。かつての地縁、血縁中心から、ライフスタイルや価値観の多様化が進み、職域を含めて、居住地域が自由になっていることから、様々な意味で求心力のある、魅力的な地域であることが求められます。

 それは、そこに住む市民自身が「誇れるまち」であることが大前提であり、そのための仕組みづくりも必要になってきます。
 年齢層を第1世代(0歳から20歳前後)、第2世代(20歳前後から60歳前後)、第3世代(60歳後)と大別し、それぞれの世代に対して期待すべき役割を掲げるならば、
(第1世代に対して)
  基礎的な学力・体力を習得し、道徳心・逞しさ・感性を磨き、一人の人間としての基本をつくる
(第2世代に対して)
  まちづくりの中心的な役割と同時に、次代である子供たちを育て、様々な活動
 を通して、地域に貢献する
(第3世代に対して)
  これまでに培った多くの経験や知恵を活かし、よきアドバイザーとしてだけでな
 く、現役の実践者として地域に貢献する
といったことが考えられます。
 これらを、さらに系統的に整理し、それぞれの世代の交流やリンクを深めることで、各世代の「生きがい」といったものを創出し、それが感じられる、真に「心豊かなまち」であることが期待されます。
 「誇り・生きがい・豊かな心」は、外面的には「笑顔」として表れ、内面的には「美しい心」を育むことができます。人間として、「笑顔美心」になれることこそ、最大の幸せであると考えます。
 こうしたことを、まちづくりの基本理念とし明確にうたうことで、「ひと」を大切にする、生きやすく住みよいまちであることがアピールできるのではないかと考えますし、是非そうであってほしいと期待するものです。

(3)将来都市像 『Welcome City』~ ヒト・モノ・コトがつながるまち

 財政状況も行政・議会・市民の協力のもと、改善基調にあるとは言うものの、今後3年間が最も厳しい状況であると言われています。そうした中にあって、普遍的に私たちが求める都市像を掲げます。
 昨今の市町村合併論議を振り返ったときに、その論点としてあげられたのが、大きなまちと合併すると「吸収されて何もしてもらえない」ということでした。これは、
現状においては、ある意味事実であるかもしれませんが、一方で、小さな自治体の中にあっても、いわゆる中央集権的な部分が強く、全てを(行政に)依存していることからの発想と思われます。
 今後、道州制の検討が本格化する中で、さらなる市町村合併が予想され、今度は「住民主体」ではない可能性もあります。そうした中にあっても、単にハード面だけでなく、自らが誇れるものを持ってさえいれば、大きなまちと一緒になったとしても、その地域の独自性や特色、良さといったものを出すことができると思われます。その誇れるもの(他からみた際には魅力となる)が何かは、現時点では不明確ではあるものの、今後重要なキーワードとなる「コミュニティ」から発生するものと考えます。

 コミュニティという概念は、これまでも言われてきたものですが、どちらかというと、自治会レベルの発想を脱しませんでした。しかしながら、これからの時代においては、より大きなもの(市自体がひとつのコミュニティ)も含めて考えるべきであり、その規模とは別に、「考え方や志向を共有できる集合体」として捉えたいと思います。つまり、「市ありき」ではなく「コミュニティありき」と考えるべきということになります。この中で、当該コミュニティの秀でたものこそが「誇れるもの」であり、それがあれば、自治体の枠組みは、単なる行財政の効率化のためのみで検討され、市民にとっては一部を除いて、特に影響のないものになると考えます。
 さらに、このコミュニティは、他とは異なる価値観をもつべきであり、それはその地域のもつ自然や歴史・伝統・文化に根ざしたもの、加えてよりクリエイティブ(創造的)なものであるべき、と考えます。
 「創造」とは単に新しいものをつくるということだけでなく、伝統と深く関わることによって成されるものであり、よりよい文化を(模倣ではなく)吸収することによって、より内的な部分で確固たるものとなる可能性が高まります。つまり、誇りや生きがい、あるいは心の豊かさといった面を強く追求してこそ、真に「創造」であり、それは「感じること」から始まり、「学ぶ」「育つ」「気づく」「創る」といったプロセスを経て、成されるものです。
 さらに、こうしたことが個々の市民の中で行われながらも、それらが「繋がる」という経過があってこそ、パワーとなり得ますし、それを基本としたコミュニティ形成につながります。また、山陽小野田市に集える人達、当市を第二の故郷として一緒に暮らし活動する人達との交流も貴重な財産であり、山陽小野田の伝統的なオープン・マインドの輪を広げていくことが大切であると考えます。したがって、私たちが目指すべきは「創造共生コミュニティ」が支えとなり、「ヒト・モノ・コトがつながるまち」であり、望まれる都市像として、「Welcome City」を提案します。

(4)基本目標 『ひと育て』『まち育て』『パートナーづくり』

 以上のような考え方の中で、よりわかりやすい表現を基本目標として掲げていきます。
 それは、言い古された言い方かもしれませんが、「ひとづくり」であり「まちづくり」です。しかしながら、これまでのそれは、何かをするとか建設すれば終わりでした。本当に大切なのは、そうしてできたものを如何に育て、活用し、さらなる効果を求めるかということではないでしょうか。
 その意味で、ここでの表現として、「ひと育て」また「まち育て」とすることを提案します。そして、そのキーワードは、ひと育ての部分では「アイデンティティ」「共生・参加」さらに「世代間交流」といったもの、また、まち育てでは「サスティナブル・コミュニティ」「自立」が考えられます。
 基本的には、この2点ですが、これらを進める体制として、市民と行政が対等な立場で、市民本位の流れを継承する意味で、あえて「パートナーシップ」を付記することを提案します。現在、進められている行財政改革は、よりよいものを産み出すためのベースになるものであり、そのための手段に過ぎないのですが、現状を鑑みるとき、あえて出すことも検討すべきです。
 以上の3点を、基本目標として掲げ、わかりやすく、かつ評価の徹底した成果主義に基づくものとされることを期待します。

3、最後に

 今回の提言は、あくまで基本的な部分のみであり、私たち市民サイドのシンプルな意見として、ご理解をいただきたいと思います。
 あわせて、策定の手法について言及するならば、下(具体的な施策等)からの積み上げということではなく、今の状況であるからこそ、まず一言で表現しうる、山陽小野田市のあるべき姿(旧小野田市でいえば「豊かさ実感」「住んでよかった、住んでみたい」)を示していただきたいと思います。そして、それは一人ひとりの市民の幸福を最終目標としたものであるべき、と考えます。その実現のための方策として、複数の柱となるべきものを掲げ、さらに具現化に向けてのより細分化された内容につなげるべきではないでしょうか。
 より求心力があり、市民にわかりやすい(いわゆるキャッチフレーズ的なもの)ものであるために、それは市長自身の想いが言葉となったものであっても良いと思います。
 白井市長におかれましては、就任以来わずか1年間ではありますが、多くの場で市民の生の声に耳を傾け、対話を行い、説明責任を果たされておられます。今こそ、それらの集大成としての率直な思いを一言にし、周囲に対して表明することで、リーダーシップを取るべき時であると考えますし、多くの市民がそれを期待していることをこの場をお借りしてお伝えします。
 多くの市民にとって、希望のもてる、ワクワクするような基本構想、そして基本計画となることを期待します。
 最後に、「総合計画」という名称について、市民の参画意識をより高め、行政・議会・市民が一緒になって、考え・行動する、一体感のある名称が望ましいと考えます。この名称を提案して、この提言書を締めくくりたいと思います。
名称 「みんなで育てる Welcome City 物語」

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